13年ぶりのライヴツアーから2年、「ひふみよ」ライヴツアーを追体験できる作品集、小沢健二「我ら、時」を聴く。
- Artist: 小沢健二
- Title: 我ら、時
- Label: ドアノック・ミュージック
- Catalog#: DK1
- Format: CD BOX
- Price: 15,000YEN
- Released: March 21st, 2012
この作品集をリリースするにあたって、USTREAMで直接ファンに告知をするということが試みられていた。また、これのリリースを祝う意味で、今月21日からスタートした東京オペラシティでの「東京の街が奏でる」ライヴと、展覧会が企画されたようである。ちなみに、ライヴの告知もUSTREAMでファンに直接告知していた。
- 小沢健二「我ら、時」展覧会とポップ・アップ・ショップ
- March 16th, 2012 - April 2nd, 2012
- PARCO MUSEUM@渋谷パルコパート1・3F
ちなみに、展覧会は先週、既に行ってきている。暗がりの中で写真を見ながら、次の光の元へ進み、音の焦点が合う位置に立ち、微かな音、例えば小沢が旅した現地の音や、そこから生まれた詩の朗読を聴くという内容。なんとなく、ひふみよツアーの振り返りつつ、「東京の街が奏でる」への助走、といった雰囲気がした。
さて、作品集。2010年のひふみよライヴの音源CDが3枚31曲、新刊本「うさぎ! 2010-2011」、彫り模様入り白蝶貝ボタン12個セット、絵巻物1巻、写真/歌詞カード27枚、写真立て7脚、そしてなんといっても、ファン的にいちばんのトピックなのが、今は亡き女性ファッション誌「オリーブ」連載のエッセイ「ドゥワッチャライク」待望の書籍化 (!)。パッケージも手触りがいいように型押し、CDジャケットは和紙を縫い合わせでできており、本は装丁は普通の本のようだけど中身は和紙になっていたり、と、音源以外の内容も豪華で、また、そのひとつひとつが贅沢なつくり。
ライヴや作品集リリースの告知をメディアを通さずにUSTREAMでファンに直接届けることや、この作品集に収録されているモノのひとつひとつや、展覧会や、今回の東京オペラシティだけで行なうライブなど、小沢の活動のすべてがガラパゴス化してきていると感じる。これはやはり、童話小説「うさぎ!」で読み取れるような反グローバリズム思想に基づいているということだろうか。小沢曰く「それは意図していない」とのことだけど。
ひふみよツアーは2010年6月9日のNHKホールの方に行った。このライヴ盤を聴くと、あの日の興奮と感動がそのまま甦る。ちなみに、ライブそのままに、インタールード的にはさまれた、誌の朗読もそのまま収録されている。
個人的には、私が行った日の翌日のライヴにゲストでスチャダラパーが登場した完全版の「今夜はブギーバック」が収録されていたのがウレシイ。また、「公園通り」っていうリリックで、小沢が身振りでココ!って地面を指したときは泣きそうになったことを思い出す。やっぱり小沢は私にとって、青春時代のヒーロー、やはりちょっと特別。
さて、「東京の街が奏でる」は幸運にも第八夜に行けることになった。こんどはどんなことを思うだろう?
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