2014年を振り返り、今年の重大ニュースを独断と偏見でいくつかピックアップ。新しい年にむけての論点整理。
各ニュース記事の個人的なコメントは、物凄い書き飛ばしでけっこう支離滅裂かもですが、そこはご容赦を。
- 今、ボカロやアイドルをどう語るべきか 音楽ジャーナリスト3人が2013年のシーンを振り返る - Real Sound (January 2nd, 2014)
- 「高速化するJPOP」をどう受け止めるか 音楽ジャーナリスト3人が徹底討論 - Real Sound (January 3rd, 2014)
今年の、ではなくて、2013年のシーンを振り返ったコラムなのだが、いちおう2014年の記事ということと、論点思考ということで。
とりあえず初音ミクについて、現在ではそれ以外のソフトも沢山ある中で、何故未だに中心的なのかというと、実はTR-808並の「名機」だったのでは、という分析に妙に納得しました。特に私のようなキャラクター人気とは無縁なリスナーからすると。
iPhone6発表と同時にU2の新アルバム無料配信 バンドとAppleの狙いとは? - Real Sound (September 11th, 2014)
音楽配信についてといえば、今年は何といってもSpotify、だったわけですが、やっぱりAppleも黙ってはいなかった、やっぱりこれから何か企んでいる模様。でも、最近のAppleはフィットネスにご執心なので、驚きのあるものになるかは個人的にはちょっと疑問ですが。
livetune、tofubeats、Sugar's Campaign......「次世代の中田ヤスタカ」になるクリエイターは? - Real Sound (August 25th, 2014)
今年、国内盤に関して言えばtofubeats, livetune (ex.kz)あたりを個人的にはよく聴いていた印象があります。で、こういう楽曲やミュージシャン、とりわけDTMとかベッドサイドミュージックとかいわれるものについては、今年っていうわけでもなく、この10年くらいの間で質、量ともに大きな広がりをみせていて、好ましい状況になっていると思います。それはメインストリーム、アンダーグラウンド問わず。
その一方で、それに対してのバンド系のふがいなさ。レコーディングの音しか出せないような、つまらないバンドばかりが増えている印象があります。
まあ、この部分については、ちょっと同情する余地もないことはないのですが......聞いたハナシによると、例えばTVの音楽番組とかだと、番組制作側の事情もあり、ライヴにすると音声の仕事が増えてしまうので、カラオケでやらせておいた方が効率がいい、とか、さらにいうとアーティストが歌詞を間違えたときに「字幕と違う」というクレームの対応をしなきゃらならいので口パクでってなる。演奏もしないし歌いもしない。たとえ歌えて演奏できたとしても、レコーディングと全く同じ演奏、歌じゃないとできないとか、レコードのフォーマットから離れられないとか、これってミュージシャンというかアーティストとしてどうなの? あまりにも創造性が貧困じゃねえか? ともかく、これじゃあ、いいバンドって出てこないですよねー。
で、最近いいバンドが出てこなくなった反動か、いまはこのようなことになっているようです。
"絶頂期"を迎えるベテランバンドが増加中 エレカシ、怒髪天、人間椅子らが今輝く背景とは - Real Sound (January 20th, 2014)
こういう、ベテランのバンドは、レコーディングモノであっても聴いていて楽しい。おもしろい。いや、ベテランでなくても、ちょっとまえまでのバンドはだいたいこうであったはず。レコーディングの音しか再現できないようなバンドが増えるなかで、こういうバンドが再び注目されるのも道理というわけです。
で、こういうのを聴こうとすると、必然的にこういう方向になってしまうのではないでしょうか?
なぜ日本人は未だにCDを買い続けるのか | VICE Japan (October 23rd, 2014)
個人的にも、ことしはCDやアナログに回帰した年でした (結局聴くのはiPodとかなのであまり意味はないですが)。とくにバックカタログを漁ろうとすると、iTunesにカタログされてなければ、必然的にCDやアナログ回帰という方向になってしまうと思います。また、このニュースがある意味、象徴的ではないかと思います。
【インタビュー】音楽ファン歓喜! 渋谷にHMVがカムバック!! その全貌&今後の展開は...? | Qetic (August 7th, 2014)
さらに、最近ではCD、アナログだけではなく、カセットテープまでもがリバイバルしているらしいです。
なぜ今さら? 若者がカセットテープに注目する理由 | 日刊SPA! (April 15th, 2014)
でも、テクノやアンビエントあたりでは、あえてカセットデッキでトラックをつくるっていうのは、けっこう昔からある手法のひとつではあったので、カセットテープのリバイバルもある意味、必然的だったかもしれません。
あと、ちょっと興味深いのは、リアルタイムのカセットテープ世代のノスタルジーにより起きているのではなく、むしろカセットテープでの音楽体験がほとんどない世代が中心だということ。たぶん、彼らにとってはカセットテープとは逆に新しくて面白いガジェットなのかもしれないですね。わたしからすると、めんどくさいことこのうえないのですが。
最後はやっぱりこのニュース。
- テレビ出演は16年ぶり! 最終回直前『いいとも』に小沢健二がまさかの登場 - Real Sound (March 19th, 2014)
- 小沢健二『いいとも』で「さよならなんて云えないよ」など弾き語り タモリ「贅沢だねぇ」と絶賛 - Real Sound (March 20th, 2014)
まあ、アレンジの是非はともかく、自在にアレンジを変化して、またちょっと別のものを産み落としているあたり、これぞ本物のミュージシャン、ではないでしょうか。ともかく、私の青春時代のヒーローを久しぶりに拝見できた、感動と、贅沢なひとときでした。
さて、初音ミクや、DTM、ベッドサイドミュージックの進化に対してバンド系のふがいない、というテーマや、CD回帰、またはアナログやカセットテープのリバイバルなどなど、興味深いテーマがいろいろでてきたので、このあたりはまとまったらちゃんと書き残してみたいと思います。ってことで、ではまた。
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