Maltine Records

日本発、Maltine Recordsより、先週末にiPhone Appがリリース。また、先日 (10月9日)、イベント「KANJI KENTEI 再試験」の開催、さらにはCDリリースまで果たしました。Maltine Records for Appのファースト・インプレッションとともに、Maltine Recordsを特集します。

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Maltine Records for iPhone/ iPod touchは、Maltine Recordsのリリース音源をiPhone/ iPod touchでストリーミング再生を可能とするアプリ。WiFi環境下だけでなく、3G環境にも対応(iPhoneのみ)。マルチタスク化もしていて、さらに気に入った楽曲をお気に入りに追加してプレイリスト管理まで。Maltine Recordsからのイベント等のニュースもチェックできる。シンプルなインターフェースで操作性もよく、アプリとしては申し分なし。ネットレーベルをアプリ化して、リリース音源を(試聴ではなく)ストリーミング再生するということは、まったくの盲点であり、また、このようなネットレーベルの専用アプリというのは、おそらく世界初であると思う。

しかしながら、ネットレーベルでは初の専用アプリという以上にセンセーショナルなのは、今年リリースされたコンピレーションCDのそのタイトルで、(ある意味で)MP3 KILLED THE CD STAR ?と(疑問符つきだが)宣言したMaltine Recordsが、レーベル自身でそれを覆したことにあるのではないだろうか。

商業販売されている音源に対する"強み"でもある「フリー・ダウンロード」をレーベル自身で覆す。『iPhone App KILLED THE MP3 STAR ?』に対する回答はまだまだ先になるかと思われます。


iPod以降、もとい、MP3以降、音楽の聴き方、とくに持ち出し方というのが大きく変わったと思うが、このアプリのリリースに際して、iPhoneやiPod touchのようなネット接続可能なデバイスによって、また変わるのではないかいう予感がある。これもある意味において音楽のクラウド化だ。それくらいのインパクトとポテンシャルを秘めたアプリといえるのではないだろうかと思う (言い過ぎ?)。


さてMaltine Records。Tomad氏とSyem氏によって2005年に設立。これまでは新興/中堅のネットレーベルという印象があったが、もはや日本を代表するネットレーベルのひとつといっていい。参加ミュージシャンも真夜中のDJで伝説となった、昨年のイヴの夜のUstreamで2,000 viewer超え、ランキングもオールジャンルで1位を記録、もはやネットの歴史にその名を刻んだオカダダ氏をはじめとする気鋭揃い。ジャンル的にはエレクトロニカ系ではあると思うが、アニメやアイドルもの、J-Popを容赦なく切り刻んだマッシュアップものがリリースの大多数を占める印象があり、秋葉原のオタク文化と渋谷系を融合させた、いわゆる「アキシブ系」と呼ばれるものにカテゴライズされるのではないだろうか。

正直に白状すると、私自身、アニメなどはまったく疎いどころか、そもそもあまり興味がない人のため、元ネタやモチーフになっているものは殆ど知らない。だが、そういう予備知識や、あるいはアキバ系特有の教養がないものにとっても、先入観を除けば十分に鑑賞に足る楽曲がリリースされ続けているのではないかと思う。とくにアニメ、アイドル、J-Pop等のその切り刻み方たるや、エイフェックス・ツインにも似た才気を感じさせるものもある。

そもそも、このレーベルの主宰者からして平成世代であり、また、ミュージシャン達もおそらく殆どが平成世代で占められているであろうことからも見てとれるように、渋谷系文化に慣れ親しんだ者にとっては相反するはずのアキバ系文化、アニメ系との融合を、アキシブ系と称してあっさりと、素直にやってのけるあたりの、私が感じる若い世代がもつ、この屈託のなさこそが、このレーベルの魅力であり、わたしが惹かれる部分ではないだろうかと思う。

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  • Artist: Various Artists
  • Title: MP3 KILLED THE CD STAR ?
  • Label: Maltine Records
  • Catalog#: MARU-050
  • Format: m4a
  • Released: August 4th, 2010
  • Price: ¥1,500 (iTunes Store)
  • Link: Mp3
MP3 KILLED THE CD STAR?
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さて最後に、Maltine Recordsが最近傾倒著しいと感じる、スタイルとしての新しいフォーマット、Basslineについて。

先日、秋葉原MOGRAで、イベント「KANJI KENTEI 再試験」が行われた模様。実は私も都合がつけば行きたかったところだが、諸事情により残念ながら行くことが叶わず。BasslineやDubstepという、現在のシーンの先端をなす音楽を体感できる機会だったのに、非常に残念。だが、Maltine Recordsでは、このイベントにあわせて企画された特別盤、Kanji Kientic「SAISHIKEN EP」がリリースされている (もちろんマルチネアプリでも聴ける)。

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  • Artist: Kanji Kinetic (Link to myspace)
  • Title: SAISHIKEN EP
  • Label: Maltine Records
  • Catalog#: MARU-082
  • Format: mp3
  • License: CC by-nc 2.1
  • Released: October 5th, 2010

ベースラインとは、ハウス、エレクトロニック・ガラージの派生ジャンルとして、ダブステップとの融合的な新しいフォーマットと理解しているが (あってます?よね?)、その特徴的なのは、やはり印象的に挿入される女性ヴォイスの存在ではないだろうかと思う。

そういう意味において、アニメ、アイドル、J-Popネタ満載で、かつ、それらを狂気の沙汰でもって切り刻むスタイルのMaltine Records勢との相性は非常によいと感じる。寧ろベースラインはMaltine Recordsのためにあるフォーマットではないかと錯覚するほど。これぞアキシブ系という、真骨頂が発揮されたEP。

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このページは、kassyがOctober 10, 2010 11:00 PMに書いたブログ記事です。

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